うずらのーと in台湾

大学在学時に国立台湾大学で一年間の交換留学を経験し、台湾の虜になる。大学卒業後は、台湾でのワーホリを経て、台湾国立政治大学の大学院へ進学。専門分野は言語比較や言語教育など。週末は海辺で台湾ビールを飲みながら過ごす。

台湾在住歴5年の筆者が、台湾の魅力を発信したり、便利な中国語をシェアするブログ。 台湾での交換留学、大学院留学、ワーホリ、中国語学習、HSK、TOCFLなどの役立つ情報も提供予定。

投票の為に世界中から帰国する台湾人達

德國人1932 年投票時,希特拉的納粹黨是最大黨,他們下一次自由選舉,是17 年後。 捷克人1946 年投票時,選了共產黨,他們下一次自由選舉,是44 年後。 

(1932年、ドイツ人はヒトラー率いるナチスを選挙で選んだ。彼らの次の自由選挙はそれから17年後のこと。チェコ人は1946年の選挙で共産党を選んだ。次にチェコで自由選挙が行われたのは、それから44年後のこと。)

 

昨日、台湾で総統選挙の投票が行われ、世界中の注目を集めた。

対中強行姿勢の民進党蔡英文か、それとも親中派の国民党 ・韓國瑜のどちらが時期総統になるか注目を集めていたが、蔡英文が史上最多の得票で再選を果たした。

 

ここ数日、SNSを開くと冒頭の様なスローガンを多く目にした。

台湾では戦後、国民党による独裁が続き、国民の投票による総統選が初めて行われたのは1996年の事。

やっとの思いで勝ち取った権利だが、それが中国によって脅かされつつあると危惧する台湾人は多く、今回の結果に繋がった。

 

SNSで他によく目にしたのが、投票の為に帰国する台湾人達の写真だ。

台湾から近い日本はもちろんのこと、アメリカやヨーロッパからも一票の投票の為だけに、帰国する台湾人は少なくない。

 

数年前に耳にしたエピソードで忘れられないものがある。

知人がとある用事でブラジルに行ったときのこと。

帰りの飛行機で隣に座ったのが、台湾人のお年寄り夫婦だった。

その夫婦は、ブラジルに子供と一緒に住んでいるとの事だが、

丁度次の日が台湾で選挙が行われる日で、それに合わせて、

フライトを乗り継いで、丸一日がけで台湾に帰るという。

地球の裏側から帰国するのって大変じゃないですか?と聞くと、

「子供達の未来の為なら、これくらいはお安いもんよ」とその夫婦が笑顔で答え、

その知人は胸が熱くなったという。

 

休日に高いお金を払ってまで投票の為に帰国する人がこんなにも多いのは、

「今後、台湾で選挙すらできなくなるかもしれない」という危機感の現れであるという意見が多い。

また、ある私の知人は、

「小国は大国よりも、国民全体に占める一人一人の割合が大きい。

台湾の人口は日本の5分の1以下。だから、僕が台湾に帰って投じる一票は、日本人の君が日本で投じる一票よりも、5倍重い。」と言う。

やや短絡的な計算ではあるが、言わんとする事は理解できる。

 

2014年のひまわり学生運動が起こった時、丁度台湾大学に留学をしていた私にとって、

私の友人の多くが、台湾の民主の為に立法院前で声を荒げた所謂“學運世代”だ。

その為、中国に強行姿勢をとる蔡総統の再選は彼等にとって、とても嬉しいものだ。

昨日の深夜便で東京から台北に帰った私の友人は、SNS上でこう呟いた。

 

看樣子我可以笑著去機場了(どうやら笑って空港に行けるみたい)と。

 

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